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食の長田ブランド

丸五市場のまるご丼


 国産うなぎをこだわりのタレでふんわりと焼き上げた西村川魚店「うなぎの蒲焼」、醤油ベースのオリジナルタレに丸一日天然まぐろを丸一日漬け込んだ平田鮮魚店「本まぐろヅケ」、地鶏を備長炭でじっくり炙った香ばしい西村鶏肉店「備長炭炭火焼鳥」、柔らかくジューシーでボリューム感たっぷりのマルヨネ「国産牛肉カルビ」、ドンブリ全体をさっぱりとした後味でしめる田中漬物店「浅漬け」。

 開発のきっかけはAM神戸ラジオ祭「商店街どんぶりバトル」。見事兵庫県神戸県民局長賞を受賞した。ウワサはウワサを呼び、現在は毎月5の付く日、11時半から50食限定、500円の5尽くし。あまりの大人気に常に即完売となり、幻のドンブリとして浸透してきた。実際に市場内で直接試食したとんねるずの木梨氏、ガガガSPの前田氏、オリックス・バファローズの仰木監督や谷選手を初めとしたレギュラー陣も、究極のコラボレーションに大絶賛。

 対面販売の市場が少なくなってきた現在、長田の‘世界遺産’として下町情緒たっぷりの丸五市場、その伝統と文化をドンブリに託していく。


肉のデパート マルヨネの炭火焼豚


「肉のデパート」として、神戸ビーフや入手困難な様々なホルモンも安く提供するマルヨネ。長田で創業開始から約50年を迎える老舗の名門店であり、道場六三郎氏も唸る品揃えが魅力だ。そのマルヨネ名物は「炭火焼豚」。こだわりの自家製タレを用いて漬け込みはせず、素材そのものを存分に活かしたシンプルな味付け。独自の技術で焼き上げ、旨みのある味わいながらあっさりと食べられる。

 飼育段階から徹底的に厳しく品質管理されたSPF豚(洗浄豚)を用い、炭火焼ならではの柔らかさで、肉の旨みを充分に封じ込めている。炭火焼のため震災でガスが止まってしまった間も焼豚を作り続けることができたという。「震災後の長田再生に命をかける。地域のお客様に喜んでいただくため、手作りにこだわった職人芸の一品を届けたい」と長田への想いも強い。

 長田のみならず全国からも注文が殺到し、クール便でできたての美味しさを保ったまま配送も可能だ。


渡辺食品株式会社の神戸漬工房水きらり


 「目にも艶やか口に美味し」。実はこれ、漬物のキャッチコピーである。

 大正時代から続く漬物の老舗、渡辺食品では仏料理のジュレや日本料理の煮こごりからヒントを得、以前から漬物をゼリーにするというアイデアを温めていた。当初は歯の弱い高齢者でも安心して食べられる介護食品として提案していたが、開発過程において様々な料理に使える食材へと転換を遂げた。

 和洋中あらゆる料理にマッチするように、漬物の味が強く出過ぎない工夫を重ねた。しかし塩分が強いとゼリーが固まらず、塩加減で苦労を重ねた。また、神戸マイスター・太田忠道氏をはじめ一流シェフのアドバイスを仰ぎながら、これまでにない新食感の漬物が誕生した。

 見た目はゼリーにしか見えないが、しっかりと漬物の味がしている。嬉しい不意打ちだ。見た目にも気を配った高級感があふれている。2005年7月から販売を開始し、全国展開も視野に入れながら改良を重ねる。新商品の開発にも意欲的だ。


パティスリー・ド・ロマンのクリームとうふ


 豆腐を材料にしたプリン。味わう前と後の印象がこれだけ違うものか。最初少し抵抗がある。だが口に運ぶたびに病みつきになる深い味わいだ。この豆腐をつかった新感覚のヘルシーデザートは女性に大人気で、大阪のデパートにも催事出展し、評判も上々だ。

 もともと洋菓子の材料として豆乳を材料にしたものはあったが、それをうまく「和」に取り込むことができないか、試行錯誤を繰り返してきた。豆乳を固めるにがりが市販品では苦味がきつく味も落ちてしまうため、長田の老舗豆腐店に相談、専門店で使用しているにがりを使うことで成功した。

 甘みにもかなりの工夫がほどこされている。角砂糖を砕いた純度の高い砂糖を使用し、嫌味のないすっきりとした甘さを実現。全体的に甘みは押さえ気味だが、底に小豆を入れることにより和の甘さが増している。

 商品開発で行き詰ったときも、地元の豆腐店との意見交換で活路を見出した。下町のふれあいから生まれた「ワザート(和ザート・技―ト)」だ。


吉田ピーナッツ食品株式会社のピーナッツブランド“華”


 みなさんが何気なく食べているピーナッツ。その小さな一粒に、実は限りない技術の結晶が散りばめられている。

 創業の地は姫路だが、昭和13年に長田に移転し、67年間上質のピーナッツを作り続けている吉田ピーナッツ。社会の変化に伴い技術も向上し、その時代時代で吉田ピーナッツ食品の持つ最高の技術、手に入る最高の原料を使ってきた商品が「華」である。産地指定、有機栽培、粒形選別など厳しい基準をクリアした中国産の高品質落花生を使用。コスト、販売価格はやむ終えず高価になるが、安全・安心・味・品質管理にとことんこだわったブランドだ。

 「華」ブランド商品は『ピーナッツ‘華’』と『うす皮付落花生‘華’』の2種。中国のどの地域のどのチームが作った豆が最後まで突き止めることが出来る高度なトレーサビリティ(栽培履歴)を採用、大粒の有機栽培モノを使用している。うす皮付落花生は遠赤外線で表面と芯を同時に香ばしく炒りあげている。平成15年の西神地区に工場を新設し、最高の環境で作り上げている。

 現在使用中の油が有機と認められないため原材料だけを有機栽培にとどめているが、2006年春にはJAS認定の油を用い、さらに


植垣米菓株式会社の鶯ボール


 CMでおなじみの「かりんちゃん」と「こりんちゃん」。この可愛い兄弟は植垣米菓の看板商品「鶯ボール」のマスコットである。

 創業は明治40年。創業者が現在の兵庫区にて米菓の製造を開始。昭和5年に「鶯ボール」が完成した。以来75年間、原材料も製法も味も変わらない昔懐かしい庶民のお菓子として愛され続けてきた。自社精米したマイナスイオン米、マイナスイオン水を材料とし、合成着色料、甘味料を一切使わない無添加の自然食品で、砂糖と塩だけの純な美味しさが堪能できる。

 半世紀前から海外でも発売され、アメリカやヨーロッパ諸国では‘ジャパニーズ ライス クラッカー’としてすっかり浸透している。

 発売当時はもち米と小麦粉を使ったお菓子で、油で揚げたときのはじけた様子から「肉弾ボール」「爆弾ボール」と呼ばれていた。戦後、平和の到来とともに独特の形が梅のつぼみに似ているため、‘梅に鶯’の発想から「鶯ボール」と改名された。「本物の材料を使い、まごころで焼く」をモットーとし、小さく素朴な懐かしい一粒には平和への無限の想いが込められている。


ベーカリーホルスの食パン


 店の前を通ると何ともいえない甘い香りが鼻腔をくすぐる。「ベーカリーホルス」はパン屋がひしめく激戦地・長田の住民の舌を魅了し続け、朝食に欠かせない上質の焼き立てパンを提供しつづけけて20年になる。約100種類のパンが店頭に並び目移りするが、なんといっても「食パン」だ。

 食パンは全部で5種類。「角食パン」「山食パン(ハードトーストとイギリス食パンの2種)」「くるみ・レーズン食パン」「グラハム食パン」「全粒粉食パン」。一番人気は角食パンで上食(じょうしょく)と親しまれている。上質の砂糖と粉を使ったもちっとした食感。加糖練乳を加え程よい甘みを醸し出し、風味豊か。冷凍すれば1ヶ月は保存可能だ。

「パンは生き物、気温や湿度にも敏感に対応」している。「無添加・自然」が基本理念だ。季節に合わせた野菜や果物を使った新商品も随時開発中である。「いつまでも変わらない味を提供したい」と、これからも長田の朝を彩り続ける。


株式会社伍魚福のいかなごのくぎ煮


 3月上旬、長田の街には家庭からいかなごを炊く(煮る)香りであふれている。春の訪れを告げる風物詩だ。いかなごを甘辛く煮詰めたものは「くぎ煮」と呼ばれる。鮮度の高い魚は煮込むと曲がり、その姿が釘(くぎ)に煮ていることから命名された。伍魚福は「くぎ煮」を登録商標とし、『神戸の春』を提供し続けている。

 調理のポイントが何よりも鮮度。朝取れたものをその日のうちに調理する。明石海峡の付近で獲れた身がしまって強い大き目のいかなごにこだわっている。大きい魚は脂がのって、魚の旨みが詰まっているからだ。これらを日持ちするように強火で長時間煮込むため、半年は保存可能で生臭さが全くない。醤油は伍魚福専用の無添加モノを製造メーカーから取りよせ、魚の形を崩さないように箸を使わず、丁寧な手作業で調理されている。

 昭和30年ごろから珍味のお店として長田で営業開始。これまでは珍味などのドライ商品が中心であったが、10年ほど前からチルド商品の開発にも精力的に取り組んでいる。毎年3月、長田区南部の丸五市場と共催で「いかなごのくぎ煮コンテスト」も開催し、地域貢献にも積極的だ。


■神戸商工会議所 西神戸支部 / 長田ブランド育成事業実行委員会事務局
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