新長田再発掘

知ってるようで知らなかった高取山の魅力を大調査!!

高取山

 2月11日(建国記念日)晴天、第25回ふれあい高取山耐寒スタンプテーリング、今年も約一千人が参加。鉄人広場を出発し山頂の高取神社まで登り丸山方面へ下山、長田区役所がゴールとなる全長約6.5km。標準2時間〜2時間半のコースは老若男女問わず楽しめ、家族と一緒に参加するお子さんも多いと聞き、それなら私も!と初参加しました。新長田鉄人広場から北へ、街中散策をしながら歩く事約30分。山の自然を堪能しながら登る事約30分。日頃運動不足の私でもゆっくり歩いて1時間ほどで高取山の頂上に到着出来ました!少し汗ばんだ額に心地よい風を感じる山頂からは、大阪・奈良・和歌山・淡路島まで見渡せる大パノラマが広がり、何だか天下を取ったよう(笑)。たった1時間で天下人気分になれる高取山!もっともっと知りたくなって色々調べてみました♪目指せ!高取山博士(笑)。

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 高取山は六甲山地の中では西側に位置し、標高は328.8m、六甲全山縦走路のうちのひとつです。名前の由来は「ずっと昔、大きな洪水があり山上の大きな松の木にたくさんのタコが絡まった事から『タコ取り山』それが後に『高取山』と呼ばれるようになった」という説や、「多くの鷹が山に住んでいた事から古くは『鷹取山』と呼ばれていた」という説、「江戸中期以降、山麓地域への年貢の賦課が厳しく『高く取られる』と嘆いて高取山となった」など諸説色々。
高取山 私、ケーちゃんは松の木にたくさんのタコが絡まっていたという説がなんだか愉快でお気に入りです。登山をしながらタコが絡まった大きな松の木はどれだどれだと探したけれど見つかりませんでした。実は現在、高取山にはほとんど松は生えていないんです。昔はいたるところに大きな松の木があり、山頂には「神撫の松」、別名「夫婦松」とも呼ばれ親しまれていた立派な松が二本あったそうです。しかし、太平洋戦争下、国内は燃料不足、松ヤニなども燃料とした為、多くの樹木が切られてしまいました。その結果、高取山はハゲ山になってしまったそうです…。戦後、山の斜面を段々畑のように整え植林が行なわれ、現在の様な豊かな緑で覆われた高取山が復活しました。
高取山斜面が棚田のような不思議な形をしている貴重な写真を※地域人材支援センター内【神戸アーカイブ写真館】で閲覧することが出来ます。【高取山】という閲覧資料にはこの他にもあっ!と驚く面白い写真や情報があるので探してみて下さいね。
 現在の山林は植樹された部分を多く含む雑木林で、春にはサクラ・ツツジ・フサアカシアなどの花が咲き揃い登山客の目を楽しませます。また、野鳥の種類も多く意外な近さでホトトギスの声が聞こえたり、コゲラの旋回が見られたりします。
高取山 夜になると高取山に大灯籠の灯りを見つけることが出来ます。山頂付近にある大灯籠は明治43年に海上の安全航路を願って建立されましたが、阪神・淡路大震災によって点灯部分が倒壊し仮点灯が続いていました。その後平成13年に高取神社御鎮座千八〇〇年記念事業の一環として再建・復興され今もあかりを灯し続けています。
 「ふれあい高取山耐寒スタンプテーリング」では表参道を登り丸山登山口へ下りるルートを歩きましたが、枝道やバイパス路を含めると高取山の登山道は24通りもあります。どの登山口もまちの近くにあり、20〜30分程で山頂まで登ることができ、平日でも約三百人、休日になると約五百人の方々が登山を楽しんでいます。24通りもルートがあるのなら、車で登れるルートもあるのでは!?と思い調べてみると…昭和12年頃まで、参道中ほどにある安井茶屋の裏手まで車の通れる道があったそうです!燃料や食料を運ぶ道で、山の麓で茶屋に必要な品物を買うと、そこのお店の方が買った荷物と共に茶屋の方を昔のミゼットのような車で送迎したそうです。丸山方面に向かう六甲全山縦走路になっている登山道方面にその道はありましたが、昭和13年の阪神大水害で崩落してしまったそうです。残念ですが甘い考えを改め、自分の足で山歩きを楽しもうと思います(笑)。

高取山さて、茶屋と言えば高取山には「清水茶屋」「中の茶屋」「安井茶屋」「潮見茶屋」「月見茶屋」の5軒の茶屋があります。休憩や飲食だけではなく、卓球や神戸発祥と言われる投げ輪、カラオケ等が楽しめ、常連さんだけでなく山歩きを楽しむ方々の憩いの場となっています。スタンプテーリングの日も大勢のお客さん達で賑わっていました。大きなお鍋でクツクツと揺れていた“おでん”、今度はゆっくり茶屋巡りをしてみたいと思います。
 登山以外にも気軽に色々なものが楽しめる【高取山】。今年の春は高取山の山頂で大パノラマをバックにお花見なんていかがでしょうか。

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◆今月のもうひとつのお薦めスポット◆

高取山の魅力をもっと知りたい方は※地域人材支援センター内【神戸アーカイブ写真館】がお薦め!高取山を含め六甲山系を実際に歩いて集めた資料を読んでから山を歩くといつもとは違った魅力に気付くかも!
【神戸アーカイブ写真館】
神戸港開港から阪神淡路大震災までを中心とした約15万点の写真や資料を、時代別・テーマ別などにわかりやすく整理・分類。ディスプレイ・パネル・冊子などで気軽に閲覧出来ます。
《所在地》
神戸市長田区二葉町7-1-18 神戸市立地域人材支援センター(旧二葉小学校)3F
《TEL&FAX》 078-642-2355
《開館時間》10〜17時
《休館日》月曜日(祝日の場合はその翌日) /  年末年始(12月28日〜1月5日)
《ホームページ》http://www.kobe-shashinkan.jp

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