新長田突撃レポート 気になるスポットに突撃取材を敢行!

Vol.02 - 静岡おでん横丁に突撃!

静岡おでん横丁今回のレポートは、2007年10月から新たにTMO事務局スタッフに加わったシオタニが、静岡市の通称「おでん横丁」に潜入しました。その渾身のレポートをお楽しみ下さい。

おでんは静岡の隠れた名物。「おでん横丁」と呼ばれるおでん屋の集積が、静岡の中心市街地に点在している。青葉おでん街、青葉横丁、ちゃっきり横丁、青葉小路横丁、いかづちおでん街、縄のれん街の6箇所だ。12月22日、クリスマスイルミネーションのともる中、静岡はあいにくの雨。でも‘おでん食べるゾー!’の意気込みで、荷物かばんをビショビショにしながら、目的地の一軒目、青葉おでん街へ。しかし、どこも暖簾から垣間見るに、4人がけのイスはなさそう。しかし、おでん屋はまだまだあると、さらに雨の中をずんずん進んで、青葉横丁へ。

青葉横丁はおでん屋ばがり東西に25軒ほど並んでいる。中央に1mほどの通り道があるが、2人一緒に並んで歩けないほどの細い道、というか通路。横丁全体をアーケードで覆っている。横丁に一歩足を踏み入れると、奥は一坪ほどの広さのおでん屋が連なる。どこも満員の中、なんとか、おでん「みなみちゃん」にイスを一つ追加して腰を落ち着けた。

店はカウンターだけ、10席。60年以上続けているおかあさん?が1人で切り盛りしている。何しろ、神戸から来たというだけで、静岡の人はやさしい。おでんの特徴は牛すじでとったスープに濃い口醤油で味付けした黒〜いダシ汁で、ネタは1本1本串に刺さった状態で、黒ハンペン、すじ、ホルモンなどが浸かっている。継ぎ足しで使われているから、その店独自の味付けがあるそう。ネタに鰹節と青海苔の粉末ミックスを振りかけて食べるのが‘静岡流’。黒いダシでネタが見えないので、箸でごちょごちょ探していると、隣に座っていた常連さんが「取ってあげるよ」と言ってくれたので甘えることにした。

黒いダシが静岡流黒はんぺんから食べてみた。少〜し塩味が効いていて、歯ごたえあり。じゃこ天と似ている。ついついビールが進んでしまう。黒はんぺんはフライも美味しいそうで、それも追加。ねぎまフライ(串焼きで食べないらしい)、直径10cmはあるレンコンの厚切りフライも注文。さて食べるぞと、関西流にソースをドボドボやっていると、店の客全員から「あぁ〜・・・」と残念そうな声。すかさずフライの食べ方について指導があり、「ここのソースは辛いから、片面だけ付けるんだよ。しょうがないね、交換してあげる」とまたまたやさしい。どこの地方にも食べ方の流儀があるものである。

おしゃべりも充分に楽しんで2時間。勘定も串の自己申告だが、4人でたっぷり食べて、大瓶4本飲んで、1人1,000円。安い!もともと、静岡おでんは子供の食べ物。駄菓子屋の隅でおでんを売っていたのがはじまり。今は、イチゲンさんや女性だけでも入りにくい雰囲気はない。

静岡おでんの缶詰土産から、B級グルメにも力を入れ始めたというから、新長田のそばめしと親近感も湧いてくる。あるホテルでは、おでん横丁まで無料送迎を行っているというのだから、力の入り方もなかなかである。新長田のそばめしも、負けずに全国展開を図らねばと、新幹線の売店で静岡おでん缶を眺めていた。

「全国には、こんな面白いまちづくりをやっているぞ」「ここはこんなお店がたくさん集まっているぞ」など、情報をお待ちしております。