お好み焼き放浪記 Nagata Okonomi-yaki Wanderer's

第一回 「SCALA」のバサ炒め&かす焼&ミンチ焼

SCALA

パリのカフェのような外観パリのカフェのような概観 外観はどう見てもカフェかフレンチ、イタリアンにしか見えないが、一歩足を踏み入れると本格的なお好み焼店があると聞きつけ、板宿駅から西へ3分ほど歩いて目的の店「SCALA(スカラ)」へ。オープンしてまだ半年過ぎだという。路面からかなりセットバックしている玄関は、緑を基調に照明でステキに照らされており、開放的なガラス窓の中はウッディな雰囲気。店内は超満員で、若者で賑わっている。鉄板の前では女性シェフが機敏な動きを披露し、期待を抱かせる。メニューを見るとサイドメニューが超充実。特に韓国系料理とカクテルを始めとしたリキュールの豊富さに目移りする。

これが「バサ炒め」オススメの「バサ炒め(しょうゆ味)」を注文。「バサ」ってご存知です?牛の肺のことです。これは珍しい。牛の肺をテンプラにし、もやしと炒めている。さっそく一口。ホルモンの臭みがまったくなく、ふわっと柔らかいのに歯ごたえもある。しょうゆ味がテンプラのコロモにからみ、酒の肴として申し分ない。添えられたもやしにも風味が染みている。程なく「ミンチ焼」と「かす焼」が登場。限りなくまん丸なたたずまいに感動。一枚一枚をじっくり丁寧に作られている。

ミンチ焼まずはミンチ焼から攻める。テコで両断すると、ビッシリのミンチ。お好み焼ハンバーグといった風情だ。ソースをたっぷり塗り、ガブッといく。生地はサクッと、中身はふんわり。たっぷりミンチはしつこくなく、洋食感あふれる食べ応えに大満足。お次はかす焼。いわゆる油かす焼。これにも驚き。ホルモン(テッチャン)を程よい大きさにカットしているため、ホルモンの持つ野性味あふれる風味が実に香ばしい。こちらのお好み焼も外はさっくり、中身はトロトロのフワフワ。アクセントの油かすがコタエラレナイ逸品である。

かわりモダンオーナーの安田隆次さん(31)は長田出身でお好み焼店を経営するご両親の元、幼少よりお好み焼に親しんでおり、お店の研究や仕入のこだわりは実に見事。安田さんからお話をお伺いしながらテコを進める。通常なら鉄板の上で長時間放置すると、硬くなったりして味が落ちるものである。ところがどっこい。ワンポイントアドバイスを頂戴する。ひっくり返すのである。豪快にトッピングされている「かわりモダン」しかり。ひっくり返してから、ソースをもう一度塗る。すると、今までのサクッとフワッとから、パリっとジュジュッと変貌を遂げる。これが実に香ばしい。2度オイシイとはこのことである。しかも、テコで切りやすくなるというオマケ付きだ。

新長田から歩いていくのには少々つらいかもしれないが、ぜひ足を運んでみるべし。おなか一杯になって、夜風に当たりながらブラブラ歩いて帰るのもオツなものである。

SCALA(スカラ)のお店情報

※2009年までの情報になります。現在の営業状況につきましては各店舗へお問い合わせください。

外観と業種のミスマッチが結局絶妙にマッチしているお好み焼店「SCALA(スカラ)」は、17時〜22時30分まで営業、定休日は日・月曜日、電話は612-2522です。予約した方がベターかと存じます。味だけでなく、リーズナブルな価格にもビックリだ!